ストーリー


子供の時、あやこはお母さんと約束をしました。
「お利口に待っててね、ゆびきりげんまん」
でも、お母さんはいつまでたっても、帰ってきませんでした。
あやこは捨てられたのです。
その時からあやこの小指は、次第に感覚がなくなり、
ゆびきりをした形で動かなくなってしまいました。

大人になったあやこに、やがてひとりの恋人ができます。
そして、また約束をします。
「来週の日曜、遊園地に行こう、ゆびきりげんまん」
しかし、待ち合わせの時間をどれだけ過ぎても彼は現れません。
あやこは知るのです。もう一度。捨てられたことを。

それ以来、あやこの周りの闇は、体の中に入り込み、
ひとり孤独に、死んでしまいました。
その亡骸は、まだ布団の中です。
布団の端からは、まだ曲がったままの小指が…。
あやこが、無事成仏できるように、
どうか、ゆびきりをしに来てください。